医者である私の仕事

03
10
2008

新しいクリニックの仲間 スカーレットシュリンプ     新しいクリニックの仲間 スカーレットシュリンプ

環境への適応能力が高くて、寿命が長いため、閉鎖系生態系の実験材料としてよく利用されているハワイ産のエビが、クリニックの仲間に加わりました。
なぜクリニックかというと、自宅では、猫が、このエビの足の動きに大興奮して、帰宅したら、水槽が倒されてる危険性が大だから…
不思議です…餌も上げなくてよくて、この水槽内で、生態系が完結していて、バクテリアを食べてるみたいです。

  

先日、以前当クリニックに通院していた方の、奥さんに偶然街で出逢いました。

 

「うちの人は、3年ほど前に亡くなりましたが、最後の最後まで歩く練習をしていました。

(車いすを使わなくては、立つこともできない方でした。)

先生が、次に会う時には立ってる姿を見せてね。と言われたのを心の励みにして、

死が迫ってきても、歩く練習してました。もう長くない寿命なので、そんなに頑張らなくても、

と思ったこともあったのですが、最後の方は、その歩けるようになることが生きがいのよう

でした。最後に生きがいを与えてくださってどうもありがとうございました。

うちの人は、先生に一番感謝していると思います。」

 

と言われました。

 

私も彼のことはよく覚えていました。

自分で言った言葉を私も覚えていました。半身不随になって、落ち込んでいたので、

「でも、まだ手も使えるし、おいしい食べ物をおいしいと思って食べれるじゃない。

なくなったものを嘆くより、あるものに感謝しようよ。それに、歩くのもできるわよ。

次には立ってるところ見せてよ。」

 

その時になぜか嬉しそうな顔をしたのも覚えています。

 

そして、今回その奥さんに出逢って、自分の仕事とは・・・と考える機会を持ち、

私の仕事はその人の生きがいの手助けなのだろうなと感じました。

なぜなら、きっと生きがい″こそが生きてるということだから、生きる手助けを

するというのと同義ではないかと思います。

生きがい″がないと、それこそただ呼吸して心臓が動いていますというだけです。

 

これは、美容皮膚科も他の診療科も同じではないでしょうか?

私は今は、美容を生きがい″の一つにしている人たちの手助けをしています。

ですから、もしもう余命がないという方が見えて、シミをとって美しくなりたいといったら

真剣にその人の美しくなる方法を考え、日常の生活も指導するでしょう。

そして、それがコンピューターや機械と、人間の差なのではないでしょうか?

 

きっとコンピューターにこのようなケースの医療をまかせたら、

「余命のない人のシミの治療は意味がないので適応ではありません。」で終わってしまうに

違いないからです。

 

 

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