悩みの種のスティンギング

10
23
2008

  車

 用賀の街をたまにこんな小さなゴーカート?みたいな車が走っています。あれは何なのだろう?


季節の変わり目になると、外界の湿度や温度が急に変わるため、肌もそれに合わせて皮脂量や、
汗の量が変化し、いつもの基礎化粧品や洗顔剤で刺激感を訴える人が出てきます。特にスティンガー
と言われるスティンギングをおこしやすい方たちは、その刺激感を訴えることが多いです。

 

スティンギングって耳慣れない方も多いと思います。これは、は化粧品を専門にする研究者の中に
もまだ充分理解されていない非常に厄介 な現象です。一般にはスティンギングとは、虫などに
刺されて痛いことをいいます。化粧品では使ったときにチクチクとか、ピリピリした痛みを感じることを
いいます。正に刺激と言う言葉がぴったりの現象なのですが、既に“刺激”は “刺激性接触皮膚炎”
として “かぶれ”の意味で使われているので、それと区別するために“スティンギング”と呼びます。
ただ、かぶれと違って感覚は刺激なのですが刺激(=肌に悪い)ではないという理解しにくい現象です。
たまに、化粧品を塗ると、跳び上がるほど痛いという患者さんがいます。かぶれの原因を探すパッチ
テストをしても、スクラッチテストをしても、腕や背中には何の反応もありません。これはスティンギング
のことが多いです。 スティンギングは肌から吸収された物質が皮膚細胞の化学伝達物質を放出させ、
痛みを感じさせる現象です。

他のドクターが前言っていた例に例えると、何かの具合で火事ではない
のに火災報知機が働いて間違った情報を出してしまう火災報知機の誤作動のようなものです。
炎症が無いのに痛みを感じる…炎が無いのにベルが鳴る。 しかしスティンギングはよく考えて
みると、ごく軽いものは日常的に経験する現象です。いつも使っている化粧水を肌につけた時、
小鼻のあたりがピリピリ・チクチクとした感触があっても、ほとんどの人は“肌が痛んでいる”とか
“肌が荒れている”と思って見過ごしています。しかしそれが色々な条件が重なって、ちょっと
強く出たとき、あるいは皮膚が赤くなったとき、この“刺激感”が刺激(=かぶれ)”と混同して
ややこしくなります。

 スティンギング能と刺激能は相関しないという事は多くの研究者が報告しておりますが、実際に
痛みという具体的な感覚があるスティンギングは必ずしも痛みを伴わない刺激(=かぶれ)より
その化粧品を使ってる人にとっては、肌に悪いことのように感じます。でも、スティンギングを繰り
返したからといって皮膚の損傷は少ないのですが刺激(=かぶれ)を繰り返すと皮膚はダメージを
受けます。
スティンギングは個体差・部位差が大きく同じ人でも起きるときと起きないときがあるので、事前に
チェックしにくいものです。

 

 このように、スティンギングが一般に理解されにくい現象であると同時に、私たち皮膚科医の悩み
の種になるのが、スティンギングが起きることと化粧品の安全性とは別のことでありながら、たまたま
同時に偶然に別の機構でかぶれが起きることもあるからです。そしてさらに悩みの種になってしまう
のが、お電話などで、“美容液をつけた時、赤くなった”“クリームをぬった時ピリピリした”と
言われると、それがスティンギングだろうと想像できても、電話だけでは、それはスティンギング
ですから心配ありませんと言い切る事が出来ないのです。 ですから、 使用を中止して下さい 
というしかなくなってしまうのです。

そして、もう一つ厄介なのが、私たちが日常的に使う、シミなどを
治したり、ニキビを治す外用薬で、高率にこのスティンギングが起こることです。ですから、私たち
クリニックのスタッフは、今日もまた、肌にピリピリ感じるかもしれないけれど、肌には悪くないという
スティンギングの説明を繰り返していきます。

 

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